家の光協会

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やさい畑

2026年10月秋号

1100円(税込)

2026年9月3日発売

IENOHIKARI

第1特集

ゆっくり始めて、長くとれる
秋冬野菜は遅まき&混植がおもしろい

 「秋の1日は春の7日」―。種まきの遅れを戒める、先人たちの金言です。ところが近年は、気温の高い時期が長く続くようになり、この常識が大きく変わりつつあります。種まき・植えつけ適期が後ろへずれ込み、その期間も以前より長くなっているのです。そこで「遅まき」と「混植」をキーワードに、秋冬野菜づくりをもっと楽しみコツを解説します。

【主な内容】
〇遅まき&混植を成功させる5つのダンドリ
〇混植すれば時間と空間をフル活用できる
〇混植プラン1 ブロッコリーの側花蕾と寒締めホウレンソウのWどり
〇混植プラン2 キャベツの肥大を待つあいだに小カブを次々とる
〇混植プラン3 葉物3種の間でダイコンをじっくり太らせる
〇混植プラン4 玉レタスと葉物野菜を春どりする
〇混植プラン5 端境期にニンジンとダイコンを確保する
〇遅まきでも間に合う! 秋冬野菜の品種リレープラン
〇春どりを狙う秋冬野菜の9月育苗術

監修/ふくだ・とし
家庭菜園研究家、ブルーベリー研究家。1947年東京都生まれ。東京農工大学農学部卒業。種苗会社勤務時より野菜づくりを開始。埼玉県にある畑と東京都内自宅の車庫上に設置したスペースで有機・無農薬による「連続混植栽培」を実践している。著書は『マンガでわかる 家庭菜園フクダ流』(日本農業新聞)など多数。

監修/たかくら・かつや
JAとぴあ浜松の地産地消課長として直営の直売所など4店舗を統括。長年、JAの営農指導員を務め、自身も1500㎡の畑を耕作する。土づくりの研究にも通り組み、土壌医の資格を持つ。

第2特集

秋冬野菜を虫害から守れ!
防虫ネットを使いこなす

 日に日に気温が下がる秋から冬。この時期に育つ秋冬野菜は、「夏野菜より害虫の被害が少ない」と思われがちですが、実際はその逆。種まき・植えつけ直後のやわらかい葉や芯が狙われ、被害が多発します。きれいな秋冬野菜を育てるには、防虫ネットの使用は必須。その性質を正しく理解して、省力かつ効果的に使いましょう。

監修/アースケアテイカー/うちだ・たつや
(株)いかす 取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

イガさんの菜園実験室

いつまでにまけば肥大する?
ダイコンの遅まき実験

 この写真は、11月上旬の五十嵐さんのダイコン畑。9月2日に種をまいたダイコンの収穫が始まっています。これまで、秋まきのダイコンは簡単に発芽するといわれてきましたが、近年は9月に入っても高温の日が続き、種まきに失敗するケースが増えています。とはいえ、涼しくなるのを待ってから始めると、肥大が進まないという懸念も――。そこで、9月2日からほぼ2週間おきにダイコンの種をまき、“遅まき”の限界を探りました。

栽培指導/いがらし・とおる
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

もっと知りたい菌ちゃん農法

小さく手軽に始められる 畦板レイズドベッド

 無農薬・無肥料でも糸状菌の力を生かして、大きくて健康な野菜が育つ「菌ちゃん農法」。今号は、畑が狭い人、庭先でやりたい人、もしくは借りた畑でいずれ撤収することを念頭に始めたい人……こうした「ひとまず菌ちゃん農法をやってみたいすべての人」におすすめの、畦板で囲いを作ってレイズドベッドにする方法を紹介します。吉田さんが改良を重ねてきた、菌ちゃん農法のエッセンスが詰まっています。

監修/よしだ・としみち
㈱菌ちゃんファーム代表取締役。1959年、長崎県生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及員を経て、1996年有機農家に。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)などがある。

プランターで循環野菜づくり

大玉タマネギは春先追肥が決め手!

 長年、プランター栽培を続けている安藤康夫さんは、毎年、大小さまざまな鉢でタマネギを育てています。「だいじなのは鉢の大きさではなく、春先の追肥です。このタイミングでしっかりと肥料を効かせれば、初夏には丸々と太ったタマネギが収穫できますよ」

栽培指導/あんどう・やすお
東京都板橋区在住。2006年からプランター栽培を始め、伝統野菜を中心に年間約30品目の野菜を育てている。著書に『プランターで有機栽培1・2』(農文協)がある。

庭先販売 プロのワザ 

吉田農場の多品目野菜づくり

 暑さ寒さも彼岸まで。残暑が厳しい年でも、9月中~下旬にはようやく気温が落ち着いてきます。年内にとる葉物野菜、翌年の春から初夏にかけてとる越冬野菜の作付けが本格化します。日ごとに気温が下がる秋。販売したいタイミングに合わせて、いかに収穫サイズまで育てていくか――。代々培われた知識と経験に裏打ちされた、吉田農場の野菜づくりをたっぷり紹介します。

今号の野菜
●葉物野菜の種まき ●タマネギの苗づくり ●タマネギ ●エンドウ ●ソラマメ ●ケール ●シュンギク ●小カブ ●コマツナ


栽培指導/よしだ・ともひろ
吉田農場代表。1985年生まれ。東京都練馬区で200年以上続く農家の八代目。祖父母の代から本格的に野菜づくりを始め、30年余り前から自宅前に設置した自動販売式のコインロッカーで庭先販売を続けるほか、地元の直売所やマルシェ、大手デパートへ野菜を出荷している。約1haの畑をフル回転させて、多品目の野菜づくりに取り組む。

有機菜園道場

残暑と害虫を攻略!
冬どりダイコン 成功への道

 野菜づくり未経験の門下生が、狭い菜園でも実践できる有機栽培を学びます。今回の課題は、門下生たっての希望で“ダイコン栽培”に取り組みます。東京農大出身の門下生が「ダイコンは農大を象徴する作物です」と力説。その熱意を買った師匠は、豊作へ導くプランを伝授します。栽培が始まる9月は、厳しい残暑と害虫の対策が課題です。白黒マルチや防虫ネットなどの被覆資材を使いこなして、大豊作をめざします。

栽培指導/のとやま・おさむ
有機無農薬栽培研究家。YouTubeなどをとおして、有機栽培の普及活動に取り組む。オーガニックアカデミー専任講師、貸農園・シェア畑の栽培顧問を務める。

循環菜園 野菜づくりの新常識

タマネギの多粒まきを検証する

 タマネギは1穴1本で育てて、玉の肥大を促すのが基本。一方、何本かでまとまって育つと、たがいに養分や水分を融通し合い、根張りがよくなるという性質もタマネギにはあります。そこで、セルトレーにまく種の数を変えて育てた苗を畑に植えつけ、そのまま最後まで間引きをしないで育て、サイズや収量にどんな違いが出るのか検証しました。

栽培指導/アースケアテイカー/うちだ・たつや
(株)いかす 取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

農の匠

サツマイモ栽培の極み技

 優れた栽培技術を持つ生産者に、栽培の極意を伺います。土づくりから収穫までの技術を深掘りすることに加え、家庭菜園に応用できるワザを紹介。今号は、埼玉県三芳町で江戸時代から続く“落ち葉堆肥農法”で高品質なサツマイモを育てている髙橋敦士さんにご登場いただきます。

木嶋博士の菜食放談

ダイコン 1作だけではもったいない

 野菜に凝縮された「食の歴史」を、世界各地の自然農法や伝承農法の研究に長年携わってきた、木嶋利男農学博士が語り尽くします。今号のテーマは「ダイコン」。奈良時代に編纂された『古事記』に記載があるほど、日本人との関わりが深く、家庭菜園でも人気の野菜です。木嶋博士も、毎年秋になると数回に分けて種をまき、自家用に育てています。寒さが増すと恋しくなるおでんやふろふき大根、脂ののった焼き魚に添えるダイコンおろしなどへの利用はもちろん、大量に仕込むたくあん漬けの材料としても欠かせないそうです。

語り/きじま・としお
東京大学農学博士。伝統農法文化研究所代表。栃木県農業試験場生物工学部長などを歴任。長年、世界各地の自然農法や伝承農法の研究に携わる。『連作でよく育つ野菜づくり』『驚くほどよく育つ野菜づくりの裏ワザ 決定版』(共に家の光協会)など著書多数。

千重子さん百品自給暮らし

もう買わなくて大丈夫
落ち葉や生ごみで堆肥・肥料づくり

 長野県南相木村の山あいで暮らす細井千重子さん。有機自給菜園と野山の恵みを生かし、100品目以上の作物と加工品を自給しています。それに欠かせないのが、落ち葉や枯れ枝、米ぬかに、台所から出る生ごみ。身近な廃棄物を宝物に変える細井式リサイクル術をお教えします。

指導/ほそい・ちえこ
1943年長野市生まれ。鯉淵学園の農村生活科で学んだあと、農協の生活指導員に。6年勤務したのち、食の源である土を学ぶため、有機農法研究家の内城本美氏の農場で研修。その後、農協に復職し、自給運動などに取り組む。夫と母をみとり、現在は一人暮らし。3aの菜園で年間100品以上を自給。佐久市の農と食を楽しむグループ「千石の杜」やJAなどで講師を務める。著書に『寒地の自給菜園12カ月』(農文協)がある。




自然栽培を成功させる方法 

草の力で大きく育てる ニンニクの穴底植え

 ニンニクは、多くの養分を必要とする野菜です。ところが田村吾郎さんは、肥料を使わず、草だけで土づくりをする自然栽培で立派なニンニクを収穫しています。その秘密は“穴底植え”。「栽培中もとぎれることなく土づくりができるので、草の力だけで、養分をしっかり賄うことができるんですよ」

栽培指導/たむら・ごろう
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了(専攻は発酵学)。2012年、神奈川県愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を、地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

畑から、いただきます!

キャベツを味わい尽くす

 自家菜園でとれた野菜をおいしく食べ尽くす料理レシピをご紹介。小春日和の畑に、山崎素直さん・堀江ひろ子さんご夫妻の楽しげな声が響きます。ひときわ大きいキャベツを前に上機嫌の素直さん。収穫しながら、「なかなかのできだよ」、ひろ子さんも「なにを作ろうか?」とにっこり。連載第1回は、キャベツをたっぷり使った料理を教えていただきます。

栽培/やまざき・すなお
東京大学名誉教授。専門は分析化学、植物栄養学、環境化学など。退官後に野菜づくりを始め、家族とともに味わいながら、ゆったりとしたスローライフをめざしている。

料理/ほりえ・ひろこ
料理研究家・栄養士。料理研究家の草分け的存在でもあった母・堀江泰子さんの手伝いを通じて料理の道へ。身近な材料で手早く作れるレシピに定評があり、とりわけ電子レンジ調理は「堀江家の十八番」でもある。