家の光協会

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やさい畑

2026年12月冬号

1100円(税込)

2026年11月2日発売

IENOHIKARI

第1特集

冬こそ勝負!
春に差がつく畑仕事

 「冬の畑は、お休み」と決めつけていませんか? じつは、冬は春からの野菜づくりを左右する勝負の季節なのです。春から秋の菜園シーズンには手が回らなかった土づくりや、自家製の肥料や道具づくりにじっくり取り組めるのも冬ならでは。しっかり土を整えておけば、春以降の野菜の生育や収量にも差がつきます。さらに、不織布やトンネルを使った保温栽培で、寒さを生かして甘いホウレンソウやコマツナを育てたり、タマネギやイチゴなどの越冬野菜に適切な追肥を施したりと、冬ならではの栽培テクニックも見逃せません。そんな「冬にやるべき、やる価値のある畑仕事」を解説します。

【主な内容】
〇11月 トンネル保温で寒締め野菜を作る
〇12月 じっくり熟成 袋ボカシ肥を仕込む/適期の追肥で、冬越し野菜の生育を促す
〇1月 “表層寒起こし”で土をリセットする
〇2月 堆肥と石灰を混ぜ込んで土質を改良する/春先に向けて畝立て具を準備する

監修/やながわ・たけお
1951年生まれ。神奈川県の農業高校教諭を定年退職後、農家として独立。足柄上郡大井町で農園を営む。80aの畑で年間約30品目の野菜を栽培し、地元の学校給食や市場に出荷している。東京農業大学グリーンアカデミーや、子ども向けの自然塾などでの野菜づくり指導経験も豊富。

特別企画

改良式・踏み込み温床のすすめ

 落ち葉や米ぬかなどの有機物が分解するときに生まれる発酵熱を利用して、野菜の苗を育てる「踏み込み温床」。自然が生み出す熱を生かして育てる昔ながらの育苗技術です。しかし、温度管理が容易な電熱マットと違い、温度がなかなか上がらなかったり、春の育苗が終わる前に発酵熱が弱くなったりと、安定して使うにはちょっとしたコツが必要です。そこで発酵熱を確実に引き出し、長く持続させるために改良した「踏み込み温床」のつくり方を紹介します。

監修/指導/かもしだ・じゅん
東京都三鷹市で江戸時代から続く農家の六代目を継承。約30aの鴨志田農園を営み、年間約50品目の野菜を有機・無農薬で栽培。(株)土踏まず舎代表取締役として、全国各地で生ごみの堆肥化、資源循環、有機農業のアドバイサリー業務も行う。

特別企画

サツマイモ博士に教わる
いま作るべき品種・食べ方・保存術

 個性豊かな品種が次々と登場するサツマイモ。家庭菜園で育てるなら、限られたスペースを使うからこそ、「どの品種を選ぶか」が重要です。そこで、サツマイモ研究の第一人者・山川理博士に、家庭菜園で育てたいおすすめ品種を教えていただきました。さらに、収穫したサツマイモを最高の状態で味わうための保存術や、意外と知らない葉の食べ方まで徹底紹介。育てるところから、保存、味わうところまで、サツマイモをとことん楽しむための知恵が満載です。

監修/やまかわ・おさむ
1947年、静岡県生まれ。京都大学農学部卒。農学博士。元九州沖縄農業研究センター所長。サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。『べにはるか』を品種開発した育成グループとして、2025年、日本育種学会賞を受賞。著書は『増補版 サツマイモの世界 世界のサツマイモ』(現代書館)など多数。

もっと知りたい菌ちゃん農法

進化版・菌ちゃん畝の立て方

 超高畝を有機物で満たして育てる「無肥料の菌ちゃん農法」が誕生して10数年。提唱者の吉田俊道さんは、全国各地の実践例を訪ね歩きながら、より育てやすい“菌ちゃん畝”へと改良を重ねてきました。今回紹介するのは、進化を遂げた最新の菌ちゃん畝の立て方。材料の準備から畝の立て方まで、初めて取り組む人にもわかりやすく、一から伝授します。

監修/よしだ・としみち
㈱菌ちゃんファーム代表取締役。1959年、長崎県生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及員を経て、1996年有機農家に。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)などがある。

プランターで循環野菜づくり

やわらかな葉も、どっさり収穫も 
リーフレタスをとことん楽しむ

 プランターでも手軽に育てられるリーフレタス。せっかくなら、1つの育て方だけでなく、いろいろな楽しみ方をしてみませんか? プランター栽培の達人・安藤康夫さんがすすめるのは、まずセルトレーに種をまき、育った苗の一部を鉢へ移植する方法。セルトレーでは小さな葉を収穫し、鉢では株を大きく育てて、どっさり収穫します。1度の種まきから、2つの楽しみが広がります。ベランダや庭先で、リーフレタスをもっと自由に楽しみましょう。

栽培指導/あんどう・やすお
東京都板橋区在住。2006年からプランター栽培を始め、伝統野菜を中心に年間約30品目の野菜を育てている。著書に『プランターで有機栽培1・2』(農文協)がある。

庭先販売 プロのワザ 

吉田農場の多品目野菜づくり

 冬は畑でとれる野菜が少ない――。そんなイメージを覆すのが、吉田農場の畑です。秋冬野菜が収穫の最盛期を迎える一方、冬を越して春から初夏に収穫する野菜も育ち、畑は多くの野菜でにぎわっています。とくに目を引くのが、保温栽培で育つ青々とした葉物野菜。冬場も切らさないように、時期をずらしながら何回も作付けしています。吉田農場の栽培に学び、冬場もどんどん野菜を作りましょう。

今号の野菜
●秋冬野菜の管理法  ●リーフレタス ●ホウレンソウ

栽培指導/よしだ・ともひろ
吉田農場代表。1985年生まれ。東京都練馬区で200年以上続く農家の八代目。祖父母の代から本格的に野菜づくりを始め、30年余り前から自宅前に設置した自動販売式のコインロッカーで庭先販売を続けるほか、地元の直売所やマルシェ、大手デパートへ野菜を出荷している。約1haの畑をフル回転させて、多品目の野菜づくりに取り組む。

有機菜園道場

“重ね着保温”で冬越し上手になる

 野菜づくり未経験の門下生が、狭い菜園でも実践できる有機栽培の知恵と技を学びます。今回の課題は、被覆資材を1枚、2枚、3枚と重ねて、野菜の生育に合わせて温度を調整する“重ね着保温”です。寒さの程度に合わせて重ね着することで、冬の畑を上手に乗り切るコツを伝授。越冬野菜のタマネギとソラマメを育てながら、寒さのステージに合わせた保温テクニックを実践的に学びます。

栽培指導/のとやま・おさむ
有機無農薬栽培研究家。YouTubeなどをとおして、有機栽培の普及活動に取り組む。オーガニックアカデミー専任講師、貸農園・シェア畑の栽培顧問を務める。

イガさんの菜園実験室

マルチを途中で剝がしてみた
タマネギの肥大は進むのか?

 タマネギは、収穫までマルチを張っておくのが一般的。しかし、近年は収穫前の4~5月に気温が高くなることが増え、順調に育っていたタマネギが、思うように肥大しないケースもあります。「それなら、途中でマルチを剝がして地温の上昇を抑えたら、玉の肥大が進むのでは?」そんな仮説を実際に検証しました。「マルチ張りっ放し」「マルチを途中で剥がす」「マルチなし」の3区画でタマネギの生育を比較しました。


栽培指導/いがらし・とおる
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

循環菜園 野菜づくりの新常識

“早どり”に有効か?
ジャガイモの早植えを検証する

 春植えのジャガイモは、6月下旬~7月下旬が収穫期。この時期は最高気温が30℃を超える日も珍しくなく、暑さによってイモの品質が低下することがあります。そこで、収穫の前倒しをめざして、厳冬期の「1月13日」と「2月2日」に早植えを敢行。一般的な植えつけ適期の「2月27日」と合わせた3区画で育て、例年より早い6月中旬に収穫し、収量やイモのできを比較しました。

栽培指導/アースケアテイカー/うちだ・たつや
(株)いかす 取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

畑から、いただきます!

ブロッコリーとカリフラワーをたっぷり味わう

 自家菜園でとれた野菜をおいしく食べ尽くす料理レシピをご紹介。今号は、初冬の畑で、山崎素直さん・堀江ひろ子さんご夫妻がブロッコリーを収穫。「これはひときわできがいいねえ」と笑う素直さんに、ひろ子さんが「どんな料理にしようかしら」とにっこり。旬のブロッコリーとカリフラワーを、とびっきりおいしく味わうレシピを紹介します。

栽培/やまざき・すなお
東京大学名誉教授。専門は分析化学、植物栄養学、環境化学など。退官後に庭先で野菜づくりを始め、現在は6㎡の貸農園で年間30種を育て、季節の味を家族とともに楽しんでいる。

料理/ほりえ・ひろこ
料理研究家・栄養士。料理研究家の草分け的存在でもあった母・堀江泰子さんの手伝いを通じて料理の道へ。身近な材料で手早く作れるレシピに定評があり、とりわけ電子レンジ調理は「堀江家の十八番」でもある。

農の匠

ニンジン栽培の極み技

 よい野菜は、どう育てればいいのか。その答えを求め、長年の経験とたゆまぬ努力を重ね、卓越した栽培技術を身につけた「農の匠」を訪ねます。今回紹介するのは、春ニンジンの一大産地、千葉県船橋市の農家・柳澤孝行さん。天候を読みながら栽培環境を巧みに調整し、甘くて香り高いニンジンを育てています。土づくりから栽培管理まで、長年の経験から培われた「極み技」とは? 産地で磨き上げられた、ニンジンづくりの奥深い技術に迫ります。

菜園サイエンス

雑ではない雑草の生存戦略

 身近な野菜も、科学の視点で見つめると、新たな発見があります。この連載では、野菜の形や生長のしくみ、栽培法などをひもときながら、野菜づくりに役立つ知識をわかりやすく紹介します。今号のテーマは「雑ではない雑草の生存戦略」。雑草は、なぜ抜いても生えてくるのか? 厳しい環境でもたくましく生きる、その驚きの知恵に迫ります。

文・作画/むらかみ・としふみ
農学博士。元農研機構研究員および東京農業大学教授。専門は土壌肥料学で、根研究学会学術特別賞などを受賞。著書に「まんがでわかる土と肥料」(農文協)。

木嶋博士の菜食放談

サトイモ   水はたっぷり、痩せ地を好む 

 野菜には、その土地の自然や人々の暮らしが刻まれた「食の歴史」があります。世界各地の自然農法や伝承農法を研究してきた木嶋利男農学博士が、野菜に秘められた知恵と物語を語り尽くします。今回の主役は、大きな葉を広げ、太陽の光とたっぷりの水を吸って育つ「サトイモ」。秋になると土の中で親イモ、子イモ、孫イモを連ね、養分を蓄えます。水を好む一方で、肥料を多く必要としないという、意外な性質も持っています。そんなサトイモの性質を知り尽くした木嶋博士が、「逆さ植え」や「踏みつけ栽培」など、豊作につながる驚きの栽培法を伝授。サトイモの知られざる魅力と、先人たちの知恵に迫ります。

語り/きじま・としお
東京大学農学博士。伝統農法文化研究所代表。栃木県農業試験場生物工学部長などを歴任。長年、世界各地の自然農法や伝承農法の研究に携わる。『連作でよく育つ野菜づくり』『驚くほどよく育つ野菜づくりの裏ワザ 決定版』(共に家の光協会)など著書多数。

千重子さん百品自給暮らし

寒さとお日様に感謝する
冬ごちそう

 長野県南相木村の山あいで暮らす細井千重子さん。有機自給菜園と野山の恵みを生かし、100品目以上の作物や加工品を自給しています。細井さんが大切にしているのは、「四季の自然の恵みを体に取り込む」という考え方。冬の主役は、凍み大根と寒あられ、そして寒さの中で甘みを増す緑黄色野菜。自然の恵みを余すところなく味わう、「冬ごちそう」を紹介します。

指導/ほそい・ちえこ
1943年長野市生まれ。鯉淵学園の農村生活科で学んだあと、農協の生活指導員に。6年勤務したのち、食の源である土を学ぶため、有機農法研究家の内城本美氏の農場で研修。その後、農協に復職し、自給運動などに取り組む。夫と母をみとり、現在は一人暮らし。3aの菜園で年間100品以上を自給。佐久市の農と食を楽しむグループ「千石の杜」やJAなどで講師を務める。著書に『寒地の自給菜園12カ月』(農文協)がある。




自然栽培を成功させる方法 

草を積むだけでできる上質な土
草土をつくる・使う

 草や野菜の残渣を積んでおくだけで、野菜づくりに役立つ上質な土ができる――。そんな「草土」を長年の自然栽培に取り入れている田村吾郎さん。農園の一画にある草積み場では、刈った草や野菜の残渣が時間をかけて土へと変わっていきます。「草土は栄養たっぷりで、育苗に使えば根張りがよく、病気にも強くなりますよ」と田村さん。身近な草を生かして、土を育て、野菜を元気にする。自然の力を循環させる「草土」のつくり方と使い方を紹介します。

栽培指導/たむら・ごろう
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了(専攻は発酵学)。2012年、神奈川県愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を、地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

別冊付録 

2027年野菜づくりカレンダー

 その時期に育てる野菜や管理作業がひと目でわかる月めくりカレンダー。植えつけや追肥、収穫の適期が確認できるほか、日々の作業記録も書き込め、一年間活用できます。

監修/ふじた・さとし
恵泉女学園大学副学長。岩手大学大学院農学研究科修了。大学や市民農園で野菜づくりの指導を行うかたわら、著作も多く、著書等は170冊を超える。テレビや雑誌での軽妙な語り口にはファンが多い。