家の光協会

HOME

雑誌・Webメディア

やさい畑

2025年12月冬号

1100円(税込)

2025年11月4日発売

IENOHIKARI

第1特集

よく知る、よく効く、よく育つ
肥料の使いこなし超入門

 肥料は、人間のご飯のように野菜にとって欠かせないものですが、施し方をまちがえるとかえって野菜に悪影響を与えることもあります。いま家庭菜園では、肥料の施しすぎによるメタボな土が増えています。肥料を効果的に使い、野菜を健康に育てるには、基本が大切です。肥料が必要な理由、さまざまなタイプの特徴、畑の状態や野菜の種類に応じた施肥法など、ビギナーからベテランまで、かならず押さえておきたいポイントを紹介します。

【主な内容】
健全な生育はバランスのよい施肥から 
肥料の施し方を左右する“3つの要因”
[要因1 土] 土の状態の調べ方
[要因2 野菜] 野菜のタイプを知る
[要因3 肥料] 肥料の種類と特徴を知ろう
家庭菜園でおすすめの肥料と使い方
効果的な施肥の4つのポイント
肥料効果を最大限に引き出す使い方


監修/藤原俊六郎
技術士事務所「Office FUJIWARA」代表。1947年岡山県生まれ。島根大学農学部卒。農学博士。神奈川県農業技術センター副所長、明治大学農業特任教授などを歴任。著書に「新版 図解 土壌の基礎知識」「だれでもできる肥料の上手な効かせ方」(共に農文協)などがある。


第2特集

野菜がラクに作れる! 土づくりが劇的に進む!
冬の畑を使い尽くす

 冬のあいだ、畑仕事は一休み――。そう思っていませんか? じつは、この時季なら保温栽培で葉物野菜や根菜類を驚くほど簡単に育てられ、春の端境期にたっぷり収穫できます。加えて、冬は来シーズンに向けた土づくりを始める絶好の機会です。完熟堆肥を鋤き込み、緑肥作物を生やしておくと、“発酵型”の土壌微生物が働いて地力が高まり、春夏の野菜がすくすくと育つようになります。

監修/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。


大型連載

もっと知りたい菌ちゃん農法
“進化版”菌ちゃん農法のすべて

 無農薬・無肥料でも糸状菌の力を生かして、大きくて健康な野菜が育つ「菌ちゃん農法」。全国に広がりをみせる農法ですが、提唱者の吉田俊道さんは、全国各地の畑を訪ねるなかで研究を重ね、今でも日々「菌ちゃん農法」を改良しています。今号では、夏の暑さや冬の寒さにも負けずに元気に野菜が育つ進化した「新・菌ちゃん畝」と、雑草を有効活用できる「草マルチ畝」を紹介します。

監修/吉田俊道
㈱菌ちゃんふぁーむ代表取締役。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及員を経て1996年に有機農家に。食育推進にも取り組み、NPO「大地といのちの会」理事長を務める。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)など。


プランターで循環野菜づくり 

どんどん肥沃になる土の再生術

 プランター栽培の培土は、1~2シーズン使うと野菜の育ちが悪くなるため、新しい土に替えることが推奨されています。ところが古い土の処分は案外難しく、多くの菜園家を悩ませています。
 そこでぜひやってほしいのが、安藤さんが実践する土の再生術。「19年続けていますが、リサイクルすればするほどふかふかで野菜が育ちやすい土に変わっていきますよ」
 
栽培指導/安藤康夫
東京都板橋区在住。2006年から自宅の屋上(約35㎡)でプランター栽培を始める。伝統野菜を中心に年間30品目の野菜を育て、自家採種を続けている。著書に『プランターで有機栽培1・2』(農文協)がある。


千重子さんの百品自給暮らし

ダイコンは一年中大活躍

 八ヶ岳と蓼科山を望める標高1000mの高台に、野菜を中心に果樹、ハーブ、花などが所狭しと植えられた有機自給菜園があります。細井さんは、この菜園と周囲の野山からとれたものを生かし、日々の料理はもちろん、お茶、化粧水など100品以上を自給しています。なかでもダイコンは、作付け、貯蔵、加工を工夫して1年中絶やしません。根も葉も使い切るワザを紹介します。


細井千重子
1943年長野市生まれ。鯉淵学園の農村生活科で学んだあと、農協の生活指導員に。6年勤務したのち、食の源である土を学ぶため、有機農法研究家の内城本美氏の農場で研修。その後、農協に復職し、自給運動などに取り組む。佐久市の農と食を楽しむグループ「千石の杜」やJAなどで講師を務める。著書に『寒地の自給菜園12カ月』(農文協)がある。



基本がわかる大型連載

有機自給農家
柴田家のやさしい野菜づくり

 有機農業のメッカとして名高い茨城県の八郷地区に夫婦で新規就農した柴田農園による栽培講座。季節に合わせた野菜を育て、収穫物でさまざまな加工品をつくる自給生活を送るお二人に有機での野菜の育て方を教えてもらいます。新規就農者だからこそ気づいた栽培のポイントをふんだんに織り交ぜて、わかりやすく、やさしく解説します。今号は、鮮度を維持する貯蔵ワザと加工食づくりといった柴田家の冬仕事を紹介します。

 【今号の内容】
●鮮度を維持する貯蔵ワザ(サトイモ、ダイコン、サツマイモ、ゴボウ、ニンジン)
●加工食づくり(切り干し大根、たくあん漬け、ハクサイ漬け、タカナのぬか漬け、しょうゆ、みそ、米麹)

指導/柴田佳幸・柴田美奈
茨城県石岡市で柴田農園を営む。1.2haの畑で年間約70品目の野菜を有機栽培で生産し、契約者に野菜セットとして出荷している。ともに東京都出身。それぞれ石岡市の有機農家で研修後、独立して結婚。現在は、高校生から4歳まで5人の子供たちとセルフビルドした住まいで、できるものはなんでも自分たちで作る自給自足的暮らしを実践している。


鴨志田農園のとりたて献立

冬の干し野菜を味わい尽くす

 冬の畑の代表選手、ニンジンとダイコン。生で調理してももちろんおいしいですが、“干す”ことでうまみがさらに際だち、干し野菜独特の香りを楽しめます。たくさん収穫して使いきるのに困っても、干し野菜にすれば長期保存も可能。冬のあいだ、飽きることなく楽しめるレシピを、野菜の味を引き出す名人・鴨志田佑衣さんに教わります。

料理指導/鴨志田佑衣
助産師、中医薬膳師。夫・純さんが営む鴨志田農園のSNSを中心に、料理教室などのイベントや雑誌の連載をとおして、野菜をたっぷりと使ったレシピを紹介している。


循環菜園 野菜づくりの新常識

暖冬で被害拡大中
べと病からタマネギを守り抜け

 丹精して育てたタマネギがべと病にかかり、思うように肥大しなかったという経験はありませんか? 近年は温暖化の影響で、春から初夏にかけて、べと病の被害が多発するようになりました。効き目の強い農薬が使えない有機栽培において、べと病からタマネギを守りぬくにはどうすればいいのかを検証してみました。

栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

イガさんの菜園実験室 

葉物野菜のトンネル掛けで検証しました
ポリフィルムは何年使えるの?

 保温栽培に欠かせないトンネル資材である“ポリフィルム”。その耐用年数は、おおむね1~2年とされています。でも「破れていないから…」と、ついつい何年も使い続けていないでしょうか。 汚れて曇ったポリが野菜の生育にどんな影響を及ぼすのかを検証するため、真冬に葉物野菜の種をまき、ピカピカの「新品」、多少汚れた「1年使用」、汚れのひどい「5年使用」の3つのポリをトンネル掛けして保温栽培を行いました。

栽培指導/五十嵐 透
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。



農の匠

サトイモ栽培の極み技

 野菜ごとに優れた栽培技術を持つ生産者に、栽培の極意を伺います。土づくりから収穫までの技術を深掘りすることに加え、家庭菜園に応用できるワザを紹介。今号は、埼玉県狭山市で絶品のサトイモを育てている白倉崇弘さんにご登場いただきます。


区画農園の超絶達人 

芽が出た球をむだにしない!
タマネギの出直し栽培

 タマネギの貯蔵中に芽が出てしまったら、みなさんはどうしていますか? 達人・宮﨑靖好さんは、畑に植えて、葉を食べる“葉タマネギ”として育て直しています。名付けて“出直し栽培”。葉タマネギとして専用に育てるよりも格段に短い時間で収穫でき、しかも管理はほとんど不要で失敗もほぼありません。むだをなくし、まさにいいことづくめの栽培法です。

栽培指導/宮﨑靖好
定年退職後、区画農園で野菜づくりを始め、現在3区画90㎡で年間70品目を手がける。限られたスペースを最大限に生かすため、密植や畝の上空を使い倒すリレー栽培などの手法を編み出し、高品質・高収量を実現している。


自然栽培を成功させる方法 

丸々と太って貯蔵性抜群
草土と不織布で育てるタマネギ

 神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育てて、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。今号は、タマネギの栽培法。肥料を好むタマネギは、自然栽培では小さな球になりがちですが、田村さんの畑では、丸々と太った大きなタマネギが育ちます。秘訣は、草と残渣から作った“草土”と冬場に不織布で畝を保温することにあります。
 
栽培指導/田村吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了。2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

畑の探求者 

めざせ! 長さの限界突破
2mゴボウに挑戦!!

深く土を耕すのが難しい家庭菜園で、長根ゴボウを手軽に育てる方法が、“袋栽培”です。ただ、根が地中深くに潜り込んで、収穫が大変になることもしばしば。そこでおすすめなのが長さの調整が容易な竹筒栽培。「どうせなら、とことん長いゴボウを育てたい」と、2mの長さを目標に竹筒を使って挑んでみました。
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『家庭菜園の超裏ワザ』(家の光協会)などがある。

別冊付録

2026年野菜づくりカレンダー

その時期に育てる野菜と手入れ作業がひと目でわかる月めくりカレンダー。日々の作業も記録できて、1年間使えます。