家の光協会

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やさい畑

2025年6月初夏号

922円(税込み)

2025年5月2日発売

IENOHIKARI

特集

ゆっくり始めて、たっぷり収穫
夏野菜 遅植えのすすめ

菜園シーズン真っただ中ですが、内心「まだ夏野菜の作付けを終えていない…」と焦っている方はいませんか? でも安心してください。夏野菜は、これからゆっくり始めても問題なく育ちます。「すでに夏野菜を育てているから、自分には関係ない」。そんな声も聞こえてきそうですが、これからの夏野菜は“1作より2作”。夏の暑さが年々過酷になっている今だからこそ、リスクの分散にもなる“遅植え”を始めましょう。

監修/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

【主な内容】
〇夏野菜をあえて遅く植えて、猛暑のリスクを分散する
〇“温床なし”でできる! 暑さに強い苗の育て方
〇土づくりを短期間で終える! 遅植えに適した「畑の準備」
〇スタートダッシュを成功させる! 植えつけと種まきのコツ
〇遅植え①トマト ②ナス ③キュウリ ④カボチャ ⑤エダマメ&トウモロコシ


連載

農の匠 ラッカセイ栽培の極み技

野菜ごとに優れた栽培技術を持つ生産者に、栽培の極意を伺います。土づくりから収穫までの技術を深掘りすることに加え、家庭菜園に応用できるワザを紹介。今号は、千葉県八街市で伝統的な乾燥方法を守りながら絶品のラッカセイを作る古谷長武さんにご登場いただきます。

大型連載

糸状菌の力で元気野菜づくり
家庭菜園で菌ちゃん農法

無農薬・無肥料でも糸状菌の力を生かして、大きくて健康な野菜が収穫できる「菌ちゃん農法」が全国で急速に広がっています。菌ちゃん先生こと吉田俊道さんが、『やさい畑』読者のために考案した2畝の家庭菜園向けモデルでの実践法を紹介します。今回は、トウモロコシやクウシンサイといった夏野菜の育て方を中心に最新のノウハウとともに解説します。


監修/吉田俊道
㈱菌ちゃんふぁーむ代表取締役。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及を経て1996年に有機農家に。食育推進にも取り組み、NPO「大地といのちの会」理事長を務める。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)など。

特別企画

生態を知れば、恐るるに足らず
2大害虫 カメムシ&ウリハムシ

野菜にダメージを与える害虫はやっかいな存在です。とくにウリ科を好んで食害するウリハムシとマメ科を執拗に吸汁するカメムシは難敵です。そんな手ごわい2大害虫の生態と防除法を詳しく解説。適切に対処すれば、もう恐れる必要はありません!

監修/野村昌史
千葉大学大学院教授。園芸学研究院応用昆虫学研究室代表。専門は応用昆虫学および昆虫分子系統学で、おもにヤガ科のキンウワバ(蛾)類に関する研究を行っている。

基本がわかる大型連載

有機自給農家
柴田家のやさしい野菜づくり

有機農業のメッカとして名高い茨城県の八郷地区に夫婦で新規就農した柴田農園による栽培講座。季節に合わせた野菜を育て、収穫物でさまざまな加工品をつくる自給生活を送るお二人に有機での野菜の育て方を教えてもらいます。新規就農者だからこそ気づいた栽培のポイントをふんだんに織り交ぜて、わかりやすく、やさしく解説します。

 【今号で紹介する野菜】
●サツマイモ ●ラッカセイ ●オクラ ●ショウガ ●つるありインゲン ●ゴーヤー ●ズッキーニ ●ゴマ ●モロヘイヤ、シソ、バジル、エゴマ ●ソラマメで作る豆板醤

循環菜園 野菜づくりの新常識

トマトで検証
老化苗が復活する植え方はどれ?

いざ、夏野菜の苗を購入しようとしたら、状態の悪い売れ残りしかなかった…、あるいは、畑の準備が遅れて苗が老化してしまった…、という経験はありませんか? そんな老化苗を植え方の工夫で復活させられないか、トマト苗を使って3つのパターンで検証しました。

栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で8haの有機栽培圃場を運営し、年間40品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

イガさんの菜園実験室 

収穫時期と収量はどう変わる?
キュウリのじかまきVS苗の移植実験

キュウリは、苗を植えつけるのが一般的ですが、暖かくなれば「じかまき」も可能です。では、じかまきした場合と苗を移植した場合とで、育ちはどう変わるのでしょうか? 遅霜の心配がなくなる5月上旬、畑にじかまきした同じ日に苗づくりもスタートして、収穫時期と収量の差を比較検証しました。

栽培指導/五十嵐 透
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

スマイル農園のなるほど栽培 

品質アップにつながる秘策!?
ナスのわき芽を全部取ってみた

トマト栽培は、わき芽をすべてかき取る主枝1本仕立てが一般的です。わき芽をかくことで実に養分が集中し、良果になります。では、ナスも同じようにわき芽を取ったら、いったいどうなるのでしょうか。品質は? 収量は? 管理の手間は? わき芽を全部取って検証してみました。

栽培指導/豊泉 裕
1967年生まれ。東京都立川市の農業体験農園「スマイル農園」園主。江戸時代から続く農家の十代目で、就農30年め。農園利用者に年間約50種類の野菜の栽培を指導している。

プランターで循環野菜づくり 

酷暑でも元気に育つ
夏野菜を夏ばてさせない3か条

プランター栽培の達人、安藤康夫さんの菜園は、真夏でも驚くほど実り豊かです。「秘訣は、基本の徹底とちょっとした工夫かな」と安藤さん。高温や強い日差しが降り注ぐ夏場は、畑以上に野菜にとって過酷な環境になります。水切れや肥料切れなど、プランター栽培につきものの悩みを解決し、野菜を元気に育てるために3か条を、教えてもらいました。
 
栽培指導/安藤康夫
東京都板橋区在住。2006年から自宅の屋上(約35㎡)でプランター栽培を始める。伝統野菜を中心に年間30品目の野菜を育て、自家採種を続けている。著書に『プランターで有機栽培1・2』(農文協)がある。


自然栽培を成功させる方法 

ソラマメの前作に最適
根や茎が土をつくるオクラ

神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育て、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。今号は、ソラマメの前作に相性ぴったりのオクラの栽培法を紹介します。オクラは食用にするさや以外にも、長く力強い根が土を耕し、栽培終了後に残った茎が土づくりに役立つなど用途の広い野菜。田村さん流の栽培&活用法を紹介します。
 
栽培指導/田村吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了。2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

畑の探求者 

超手軽なのに驚くほど丈夫に育つ
スイカのペットボトル栽培

これまで10年以上にわたる本連載のなかで、スイカの画期的な栽培法を試してきました。今回は、これらの集大成ともいうべき、より手軽で、効果のある方法を考案しました。使用するのは、どこの家庭にもある「ペットボトル」。こんなものでスイカが育つのか? と疑う方もいるかもしれませんが、その大きさに形状、透過性などを考えると、これほどスイカの生育をサポートするものはないのです。
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『一坪ミニ菜園入門』(山と溪谷社)などがある。

別冊付録

夏野菜の不調を解決
生育診断パーフェクトブック

野菜を上手に育てるには、生育が順調かどうかを見極めることが不可欠です。不調のサインは、まずは葉やつる先、幼果といった生長部分に表れます。不調時には、これらのサインに早期に気づき、対策することが大切です。そんな野菜ごとの診断ポイントを明らかにし、対処法を徹底解説します。