農村文化情報

分類:農産加工 都道府県:滋賀県 団体名:JAレーク大津
グループ名:田上なの花グループ

** 郷土の伝統の味を後生に引き継いで **
 
地元のなの花を漬物に加工して販売

 湖南アルプスと呼ばれる田上高原で栽培されるなの花を材料に、半年間じっくりと発酵させて造る「黄金漬」と浅漬けの「新漬」。昔は冠婚葬祭には欠かせなかった郷土の味を「母さんの心が通うなの花漬」をキャッチフレーズに伝えていく。

●事業の活動内容
   湖南アルプスとも呼ばれる田上高原のふもとには、なの花を半年以上も寝かせて作る独特の漬物がある。「なの花漬」と呼ばれる漬物で、滋賀県名物のなれ寿司である「鮒ずし」に味がにているところから、「畑の鮒ずし」ともいわれるという。昔はどの家庭でも漬けられ、冠婚葬祭には欠かせない食べ物だといわれてきた。この昔ながらの味を生かして特産品の「なの花漬」を生産しているのが「田上なの花グループ」。現在のメンバーは16名。平成12年度は135haでなの花を栽培し、1369.75kg(内訳は「黄金漬」962.6kg、「新漬」407.15kg)の漬物を生産。これらの漬物は田上文化祭のイベントや大津市花と緑の推進大会「花フェスタ」、滋賀県の道の駅「光プラザ」での記念事業などで即売。ほかに、メンバーの皆さんは平成3年から地元の大津市立田上小学校の児童の「なの花漬」を作る体験学習に協力している。
 ちなみに「なの花漬」の販売価格は100g袋入り250円、5kgポリ容器入りが1万2000円、10kgポリ容器入りで2万3000円で販売、宅配されている。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
 平成元年9月、ふるさとの味(田上の味)を伝承し、地域特産品として創出することになり、グループ22名で発足。また、農村婦人の心通い合う仲間づくりを目指し、レーク大津女性部を軸として田上特産「田上なの花漬」とのブランド名をつけてPRし、生産、販売をおこなうことを目的にスタートした。

●事業の特色
 「田上なの花漬」は3分咲きのなの花を加工した「黄金漬」と「新漬」の2種類がある。そのなかでも「黄金漬」は、田上ならではの漬物で古くから「なの花漬」として自家用で作られていた。独特な風味が地域の味として、地元の人たちの自慢の漬物になっている。 「新漬」は5%の塩の浅漬けで、さっぱりとした味わいが好評を得ている。

●活動の成果、今後の事業展開計画
 材料となるなの花は、地域で「赤ダネ」と呼ばれる在来種で、田上で栽培したものだけが古漬けとして利用できるという。採取する時期やタイミング、漬けるときのわずかな塩加減で、味が微妙に異なるという。商品化するに当たり研究を重ね、漬け方を統一して作業も共同であたっている。生産された「なの花漬」は注文に応じて全国に宅配されているほか、JAレーク大津グリーンファーム石山・堅田店において販売、JAレーク田上支店において予約申し込み販売と直売、ダイレクトメールによる予約注文販売されている。「母さんの心が通うなの花漬」をキャッチフレーズに、昔からの伝統の味を後生に伝えていきたいとメンバーははりきっている。

                        <『家の光』2000年3月号掲載・2000年9月更新>

 
   
《問合せ先》

『田上なの花グループ』
(代表)山中冬美

TEL:077−546−0312
FAX:077−546−0313
 
〒526−2276
滋賀県大津市里3丁目10−20
大津市農業協同組合田上支店内

●地域の概況
 大津市は県面積の6分の1を占める琵琶湖に面した滋賀県の中心地。かつては大津京といわれる都が置かれ、江戸時代には東海道五十三次の宿場町として栄えてきた。したがって歴史ある古い町並みのなかには寺や史跡が数多く残っている。現代では京阪神、中京および北陸の三経済圏の要となっている。大津市の耕地面積は2060haで、農家1戸当たりの耕地面積は0.6haと小さい。全耕地の9割以上を占める田圃は市内の北部から東部を中心に分布し、市街化農地も多くなっている。
 平成7年の農家人口は1万7000人で市の総人口の6.2%を占めているが、若年比率が低く50歳以上が4割りを占めている。現在、開発などによる農地の減少、他産業への労働力の流出、農業従事者の高齢化、兼業化への進行などから生産意欲が懸念されているが、圃場整備とともに水田営農活性化対策などにより、集落を単位として創意と工夫のある営農への取り組みも行われ、地域条件を活かした特色ある地域農業への生産体勢も芽生えつつある。



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