農村文化情報

分類:農産加工 都道府県:佐賀県 団体名:白石町ふるさと産品普及の会
グループ名:白石町ふるさと産品普及の会

転作ダイズから生まれた「しろいしテンペ」
 
なし

ダイズをケーキのように固める白い菌糸。ゆでたダイズを発酵させた健康食品。テンペは、転作ダイズの消費拡大の切り札として注目されている。先進地、白石町の取り組みは・・・

●事業の活動内容
   「テンペ」というのは、もともと東南アジアのインドネシアやマレーシアなどで食べられている伝統食である。煮たダイズをハイビスカスやバナナの葉で包んでおくと、高温に加え土着のテンペ菌により豆と豆がくっつき、やわらかい固形状になったテンペが自然とできあがる。日本で自然と納豆ができるのと同じ原理からである。
 テンペは、ほとんど粘り気がなく、一粒一粒のダイズはぱらぱらとほぐせる。色は納豆より白く、味は淡白である。とりわけ「しろいしテンペ」は、無臭でさっぱりしており、ダイズ自体の自然のうまみが出る。
 食材としては、納豆に比べてはるかに使い勝手がよい。いため物や卵焼きに入れたり、ゴマ和えにしたり、ヒジキやコンブと煮たりなど、いろいろな料理に使える。使い方も解凍しないまま、ざくざく切って入れてもいいし、指でも簡単にほぐれる。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
新白石町は、有明海に面した水田面積2500ha余りの佐賀県内でも屈指の米どころである。しかし、減反政策により35%もその面積が減らされ、転作作物としてダイズ、ムギ、タマネギの栽培が奨励された。なかでも栽培に手のかからないダイズを作付けたことから、これを使った特産品が作れないかという声があがった。昭和63年に「白石町地場産品開発協議会」が発足した。さらに翌平成元年には「白石町ふるさと産品普及の会」と改名され、テンペづくりの研究が始まった。(なお、平成17年1月1日、(旧)白石町、福富町、有明町が合併して新白石町が誕生)テンペづくりは、大ざっぱに言えば、ダイズをゆで、テンペ菌をまぶして発酵させるだけだが、ゆでぐあいや水分、温度、時間などをかげんするなど、一つ一つの工程に白石町ならではの工夫がこらされている。失敗と工夫を重ね、ようやく販売にこぎつけたのは平成7年のことだった。

●事業の特色
<テンペのつくり方>
@選別してよく水洗いしたダイズを15分ほど水に浸してから50分ほど煮る。
Aダイズの表皮をむき、さらに20分ゆでる。ダイズの形がくずれないようにゆであげるのがポイント。
Bゆであげたダイズは、よく水けを切り、30℃近くまで冷やす。表面の水分が多すぎると発酵しにくい。
Cダイズにテンペ菌を混ぜる。ダイズ1kgにテンペ菌2〜3gの割合。
D販売用の小袋(200g入り)に詰め、通気用の小さな穴をあける。
E発酵器に入れ、32℃で24時間発酵させる。均一に温めないと発酵にむらができる。
 
 テンペの製造は農産加工グループ「みどり会」(猪ノ口操会長、会員8名)のメンバーを含む主婦13人が加工から包装までを行っている。加工に要する作業時間ダイズを煮て販売用の小袋(150g)に詰めるまでは午前8時30分から11時までだが、引き続き24時間ほどの発酵の工程がある。
 1日に約25sのダイズと90gのテンペ菌を使用し、150g入りのテンペが240個ほどできる。

<テンペを使った料理例>
○テンペ入りまんじゅう
よくほぐしたテンペ、コムギ粉、サツマイモ、ベーキングパウダー、ソーダー、卵、砂糖、ハチ蜜、酢、みそなどを混ぜ合わせてつくる。
○テンペハンバーガー
ざく切りにしたテンペ、タマネギ、ニンジン、ひき肉、卵、パン粉などを混ぜ合わせてつくる。
○テンペおこわ
テンペ、もち米、うるち米、タケノコ、ゴボウ、ニンジン、シイタケ、鶏肉などを材料にする。テンペが多いほどおいしい。
 
 これらの料理のほか、和・洋・中いろいろな料理に使えるのもテンペのもつ大きな特徴である。
 テンペを使ったまんじゅう、おこわ、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどの加工品は、加工場に隣接する白石特産品直売所で販売している。

<主なテンペ加工品の価格>
テンペまんじゅう(4個入り) 310円
テンペおこわ         310円
テンペかりんとう        250円
テンペ弁当          420円

●活動の成果、今後の事業展開計画
 新白石町では、小中学校や保育園の給食にもテンペをとり入れている。現在は4小学校、1中学校、3保育園に月30〜40sのテンペを食材として提供している。おやつを含めて、月5〜6回はテンペを使ったメニューが登場する。カレー、シチュー、豚汁などは丸ごと、クッキー、ドーナツ、お好み焼きなどには細かく刻んで加える。とくにミンチ料理には、テンペを入れるとやわらかさが出るなどよく合ううえ、調理も簡単。
「しろいしテンペ」の売り上げは少しずつだが年々伸びている。単価は150g入りで300円(税・送料別)。店舗販売は「しろいし特産物直売所だけで、8〜9割は電話やインターネットなどによる通信販売である。お客は全国各地に広がっているが、その大半は口コミによるもの。とくに都市部での人気が高い。
 個人向け販売としては、町内の菓子店でテンペ入りチーズケーキを販売するなど、テンペ加工品の人気が定着してきた。さらに平成17年1月から新たにテンペ入りアイスクリームの販売を特産物直売所で始めた。
 今後の課題としては、町合併に伴う旧白石町以外の旧福富町、旧有明町管内の小中学校、保育園へのテンペの食材提供が挙げられる。また、新規開拓の事業としては、17年3月からJAさが経済連との取引(食材配達)が実現している。

 
《問合せ先》
しろいし特産物直売所
〒849-1111 佐賀県杵島郡新白石町東郷1218-7
0952-84-7050
白石町ふるさと産品普及の会
0952-84-2111(代)

●地域の概況
 新白石町は白石平野の中心部を占めており、平成17年1月1日に隣接の福富町、有明町と合併して誕生した。
 町の中央部を南北にJR長崎本線が走り、これに沿って国道207号線が通じている。
 この地方は雨量が少なく昔からため池灌漑が行われてきたが、たびたび干害に見舞われた。そのため、干ばつ対策として井戸を掘っての灌漑が普及し、さらに町内を流れる六角川の上流にダムが建設され、湿田を乾田にすると土地改良事業も行われた。
 農業は米作が中心である。そのほかの特産物としてミカン、タマネギ、レンコンがあり、イチゴやメロンなどのほか果物のブドウの生産量も多い。有明海では、ノリの養殖が行われているほか、アサリ、カキなどの漁獲量も多い。



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