農村文化情報

分類:有機減農薬栽培 都道府県:愛知県 団体名:JAアグリス
グループ名:ぽてとの会

手をかけた野菜はおいしいよ
 
共同経営の芽が女性起業≠ナ開く

 共同経営で仲間と力を合わせて始めた有機減農薬の野菜作り。その試みは、新しい営農の道を開き、地域農業に大きな活力を与えている。

●事業の活動内容
   「ぽてとの会」の結成時の農業改良普及センターのあっせんもあって、会員制で有機減農薬の宅配販売をしている名古屋の業者と契約栽培ができた。
 現在は、地元JAアグリスのグリーンセンターが3か所と、そのほか農事法人の直売所ができたこともあって、そちらへの出荷ヘウェイトをおくようになった。また、共同経営のほうも、メンバーの一人がヘルパーの資格を取り、そちらの仕事に手を取られるようになったこともあり、その内容も様変わりしてきている。共同でやっているのは苗作りだけで、生産はそれぞれ個人でやっている。
 生産しているものは、春キャベツを皮切りに夏場はインゲン、トウモロコシ、サトイモ、ショウガ、みそ用のエダマメである。次の秋冬野菜では、キャベツ、ブロッコリー、をメインにハクサイ、秋バレイショ、秋インゲン、カブ、ネギなどで畑が埋めつくされる。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
 知多郡三浜町の石黒昌子さん(62)は、水稲とキャベツ、ミカンを栽培する兼業農家。耕地が隣り合わせだったり、近くだったりしたこともあり、同じ兼業農家の主婦である斎藤郁代さん(46)と石黒節子さん(48)に呼びかけ、有機減農薬による野菜作りへの挑戦を始めたのは昭和63年12月。
 ちょうど同じ時期に女性部による「百円朝市」がスタートした。同じ出荷するなら、「みんなと違うものを出そう」「家族の健康に良いものを作ろう」ということで野菜作りをしていた先輩がいたことも大きな励みとなった。
 共同で初めて手がけたのがバレイショだったことから、グループのなまえを「ぽてとの会」とした。

●事業の特色
 石黒さんたちが徹底してこだわっているのが有機減農薬による野菜作り。バレイショやタマネギなどは、ほぼ無農薬栽培が実現した。葉菜似ついても防除は最低限の1回だけに限定している。以前はハスモンヨトウなどの害虫駆除に性フェロモンを利用した防除法を導入したこともあったが、現在では秋キャベツやハクサイ、ブロッコリーなどの秋冬野菜では、あえて旬の時期を外して虫のつかない時期に苗の定植をするなど、作付け体系を変えることで害虫防除をしている。
 もっとも重視しているのは土づくり。半田市の酪農家と提携して、毎年10アールあたり4トントラックで7〜8杯の堆肥を入れている。この堆肥は害も少なく地力も高まることからわら堆肥を入れている。畑への堆肥の打ち込みは大型トラクターを使って2回、さらに野菜の植付けのとき1回と計3回まんべんなく土と堆肥を混ぜ合わせている。

●活動の成果、今後の事業展開計画
 生産した有機減農薬野菜は、JAのグリーンセンターなど3か所の直売所で販売している。グループ結成時始まった「百円朝市」はグリーンセンターのオープンにともなって会員も移行し、65人だった会員が現在では270人にまでまでに発展した。お客さんは南知多など他町村からも訪れるようになった。
 「ぽてとの会」の活動に自信を得た石黒さんたちは、有機減農薬栽培をさらに発展させ、JAS法改正に伴う「有機栽培」の認定を愛知県に申請中で、環境にやさしいい#_産物生産をめざしている。
 さらに大きな目標として女性起業≠めざしている。現在、知多農業普及センターが開いている女性企業についての講習会に参加したりして知識の習得と幅広い情報収集に努めている。そして、将来は加工場をつくり、これまでも手がけ自身のあるみそや漬け物加工をはじめとして、おはぎや総菜などの製造販売の構想をたてている。
                    <『家の光』1998年2月号掲載・2002年3月更新>

 
《問合せ先》
『ぽてとの会』
代表 石黒昌子

TEL:0569−82−2102

〒470−3233
愛知県知多郡美浜町奥田

●地域の概況
 美浜町は、知多半島の先端部に半島を横断するかたちで位置し、東は知多湾、西は伊勢湾に面している。古くから千石船による海上輸送の基地として栄え、今も沿岸漁業の中心地である。近年は、ノリの養殖も行われている。
 農業は米作を中心に野菜、ミカンなどの園芸作物の栽培が盛んである。
 このほか、古い伝統をもつ繊維工業、食料品製造、窯業なども行われている。
 また、白砂青末の海岸に恵まれ、伊勢湾に面する海岸一帯は三河湾国定公園に、全町域が南知多県立自然公園に指定されている。敬称と史跡に恵まれ、四季を通じて訪れる人が多い。


戻る