農村文化情報

分類:農業振興・産直 都道府県:群馬県 団体名:JA甘楽富岡
グループ名:JA甘楽富岡

農力発揮
 
群馬県JA甘楽富岡の挑戦

かつて養蚕とコンニャクの大産地として栄えた甘楽富岡(かんらとみおか)地区は、輸入自由化によって破滅的なダメージを受けた。そうした中、JA甘楽富岡がスタートさせたのが、営農誘導プログラム「チャレンジ21農業」である。

●事業の活動内容
  急激な農業生産構造の変化に対応するため、JA甘楽富岡では平成6年3月の広域合併を契機に、地域農業の拠点整備をスタートさせた。さらに2年後に事業本部制を敷き、営農事業本部が誕生した。そして、首都圏への農畜産物の供給地帯としての農業再生プランづくりを開始した。
 このプランは、新たに販売農家を増やして、農業を地域の主力産業に育て上げることをねらいとした「チャレンジ21農業」と、ステップアップ農業者を中心とした「重点野菜推進事業」を二本柱としている。
 JA甘楽富岡では、組合員台帳をもとに生産者一軒一軒を訪ねて、その趣旨を説明する「プログラム巡回加入推進運動」を展開した。また、年間200回近い現地研修会を開催した結果、生産物を地元や都会の消費者に届ける直売を担う直売部会の部会員は1000人を超え、売り上げも8億円を超えるまでになった。
 JAでは、地域内で生産される農産物販売の受け皿として、JA直営の直売所(食彩館)や東京都内の量販店、生協に直販コーナー(インショップ)を設けた。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
JA甘楽富岡では、平成8年、新たな販売農家を育成するため、初心者でも安心して農業を始められるよう、地域に合った栽培しやすい果樹や野菜の108品目のなかから4品目を組み合わせた「栽培メニュー」を作成した。メニューは約90パターンあり、それぞれの農産物の栽培法から出荷規格までわかりやすく解説してある。新しく就農する人は、JAの営農指導員と相談しながら、メニューのなかから自分に合ったパターンを選べる仕組みになっている。
 この事業と合わせて取り組んできたのが、「重点野菜推進事業」である。コストが安く、鮮度の保てる8品目(露地ナス、オクラ、タマネギ、タラノメ、ニラ、菌床シイタケ、やわらかネギ、ブロッコリー)を選んで、生産に取り組んでいる。

●事業の特色
<生産>
農作物の栽培にかけては“管内ナンバーワン”といわれる熟練の事業農家24人を「営農アドバイザリースタッフ」に任命。実費施費のみのボランティアで、新規就農した人たちへの技術指導をしている。また、果菜類の生育や収量は、苗自体が持つ性質によって左右されるため、育苗の専門農家に苗の生産を委託し、希望農家に斡旋している。
 <販売>
JA甘楽富岡では、生産量を拡大させるには消費を伸ばすことが必要であると、東京都内、群馬県内の量販店、生協などに24のインショップを設けている。昨年3月には、東京都西多摩郡瑞穂町にオープンした西東京最大のショッピングセンター「西友 ザ・モールみずほ16」内にインショップを設けた。(主な量販店、生協などのインショップについては別表参照)
インショップの最大の特徴は、「朝採り野菜」だけではなく、手づくりのハムやウインナ、ジェラード、生ジュースなど、地区の農産・畜産加工を幅広く提供していることである。このインショップでは、一日2回の販売のヤマ場をつくっている。朝採り野菜は、毎日午後3時ごろには売り切れてしまうため、平日は仕事を持つ女性をはじめとする“午後5時の消費者”に視点をおき、午前10〜12時に収穫し午後3時ごろ出荷し、夕方には店舗に到着させることができる他産地と協力し合い、消費者のニーズに応えている。

●活動の成果、今後の事業展開計画
<食彩館>……JA直営の地元直売所
 本店ともみじ平店の2店から成る地元のJA直営店。農産物の荷姿、販売価格とも出荷者(=生産者)自身が決める。商店には、かならず名前入りのバーコードを貼り、午前10時までに搬入。売れ残ったら、翌日の出荷時に引き取る。
 すべて生産者の責任で行っているので、よりよいものを作るという意味で、生産者同士のライバル意識も芽生えている。
<インショップ>……都心の量販店、生協の直営コーナー
 契約出荷している量販店、生協に設けたJA甘楽富岡専用の売り場。西友、コープとうきょうなど24店舗と契約。毎週金曜日にJAと量販店などが協議して、翌週の出荷量と価格を決めている。契約分は買い取りになり、返品はない。ただし、生産者は予約を受けて自主申告した分は、かならず出荷しなくてはならない。
 各インショップでは口コミでファンが広がり、「甘楽富岡」ブランドが定着している。

 
   
《問合せ先》
JA甘楽富岡 営農事業本部
 〒370-2333
 群馬県富岡市中高瀬660
  TEL 0274-64-2551
FAX 0274-64-3357
URL http://www.jakantomi.com/

●地域の概況
JA甘楽富岡は、富岡市、甘楽町、妙義町、下仁田町、南牧村の1市3町1村にまたがる広域農協である。したがって、農業も従来から行われてきた稲作、養蚕をはじめとして、キュウリ、トマト、ネギ、イチゴ、ニラなどの野菜、シイタケ、養豚、酪農などの畜産、近頃多くなってきた花卉園芸など多岐にわたっている。そのほか、以前からの特産物としてのコンニャクイモの栽培も行なわれている。
 富岡市内にある「片倉工業・富岡製糸所」は、明治5年に建てられたもので、わが国における機械製糸工場の草分けとしてよく知られている。赤レンガ造り、2階建ての建物は、わが国の近代工業の黎明期の貴重な建物である。
 上信電鉄下仁田駅は、妙義荒船 佐久高原国定公園に含まれる妙義山や神津牧場、荒船山への登山の起点の一つとなっており、春から秋にかけては登山客やハイカーでにぎわう。



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