農村文化情報

分類:労働支援活動 都道府県:福岡県 団体名:JA筑前あさくら管内
グループ名:杷木町あぐりの会

** 女性だけの援農グループ **
 
女性が手をつなぎ農作業手伝い

 「果樹のまち」杷木町(はきまち)では、農家人口の高齢化がすすみ、特産品の果樹栽培も思うにまかせない状況になりつつあった。耕作地の荒廃を見るにつけ「労働支援をしよう」という声に押されて会が発足。今では町になくてはならぬ存在になっている。

●事業の活動内容
  杷木町といえば福岡県内ではカキの名産地として知られ、JA筑前あさくら杷木支店管内には、272haものカキ畑が広がっている。ほかにナシ、ブドウ、スモモなども栽培され、管内の特産品には果樹がずらりとならぶ。現在「杷木町あぐりの会」では、42名のメンバーが果樹の作業に応じて、労働支援をおこなっている。作業は摘蕾、摘果、袋かけ、収穫のほかに野菜や植木の植えつけ、草とり、調整と広範囲にわたり、労働支援の延日数は平成10年は90日、平成11年には310日と急激にのびた。
 活動としては杷木町の労働支援活動を、ほかの地域に紹介するための活動のほかに、視察を受け入れたり、町外からの講演の依頼を受けたりと、農繁期の合間を利用して、さまざまな活動を行っている。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
 「杷木町あぐりの会」は、平成10年3月11日に発足した。杷木町の農業はカキを中心とした果樹だが、高齢化がすすむなかで、栽培の継続が困難な農家も出てきた。機械化のできにくい果樹作業において、担い手不足となりつつあったが、それを解消しようというのが会の発足の理由だった。平成9年から関係機関でプロジェクト・チームを作り、高齢者と女性に優しい産地づくりをすすめてきたが、その過程で農協女性部で労働支援のアンケートをおこなったところ、「労働支援をしても良い」という回答が20%あった。そこで先進地を調査したところ「我が町にも欲しい」ということから設立準備委員会をつくり発足にこぎつけた。

●事業の特色
 会の申し合わせ事項として「労働力不足で困った時に委員同士で労働力を補い、ゆとりある農業や暮らしをしていくために実践する」としており、就労の場づくりではなく、「助け合い」を通して杷木町の農業の振興に役立つことが目的となっている。
 労働支援の順番は緊急性の高いところから手掛けるとしており、病気や事故、高齢者だけで農作業をしている家を優先して支援するため、必ず毎月3日の夜に定例会をもち、会員相互の連携と発生した課題の解決にあたっている。「杷木町あぐりの会」は視察が多く、新聞やテレビの取材もあり、町の地域活性化にならなくてはならない存在となっている。
 作業時間は午前8時から午後5時までが基本で、賃金は時給650円。利用希望者はJA筑前あさくら杷木支店の生活福祉課か手嶋会長宅に連絡し、会長が最寄りの地区の会員に連絡する流れになっている。

●活動の成果、今後の事業展開計画
 時には隣町の農家から援農を依頼されることもあるが、ご主人が病気で緊急入院したある農家では「もし会がなかったらゾッとしますね。みなさん仕事に慣れているし、作業能率もいいんです。また今年の秋にも頼もうと思う」など評判がいい。
 今後は労働支援の必要な時期が町内で重なるために、非農家を会員のメンバーとして加え、事故や病気など急を要する農家を優先して支援できるように、メンバーの充実を図っていきたいという。

                        <『家の光』1999年9月号掲載・2001年2月更新>

 
   
《問合せ先》

『杷木あぐりの会』
(代表)手嶋 テル子

TEL:0946−62−1223/FAX:なし

〒838−1511
福岡県朝倉郡杷木町大字池田790

●地域の概況
 杷木町は福岡県の中南部に位置し東西南北を大分県日田市、朝倉町、浮羽町および甘木市などと境を接する総面積44.98平方キロメートル、人口約9000人の町。町の形状はほぼ三角形をなしている。町の南端・平坦部を筑後川、国道386号線、九州横断自動車道が、それぞれ東西に走り、その中心部に主な商・工業機能が集積している。町の東部と西北部はおおむね山間地で、山あいを縫う道路沿線に農村集落が点在している。町の主力産業の一つであるカキなどの果樹生産地は、町の中央部山麓地に東西帯状に集積している。杷木町には山の駅「農業公園」、川の駅「フラワーパーク」、道の駅「原鶴」と3つの駅があり、「農業公園」は「農」を主題にしたテーマパークで、もぎとりかき園、体験農園、全国でも珍しいカキオーナー農園などある。また「原鶴」の一角にある産直ステーション「バサロ」では採れたての野菜やフルーツ、農産加工品などが販売されるなど、農業においても観光を意識した町づくりがすすめられている。



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