農村文化情報

分類:農業生産 都道府県:沖縄県 団体名:JAおきなわ伊是名村支店
グループ名:アガリクス生産部会

アガリクスタケの効き目
 
循環型農業を生かす島のニュービジネス

坑ガン作用など、数々の医学的効果があるといわれるアガリクスタケが、小さな島の農業に大きな可能性を与えようとしている。

●事業の活動内容
  <栽培過程>
@ 7月から約1ヶ月かけて培養土となる堆肥を仕込み、コンテナに詰める。生産者が堆肥センターを利用してつくった堆肥を持ち返って培土とする。
A その後植菌し、着床したら覆土する。温度は18〜30℃で管理するのがポイント。それに加えて湿度を75%以上に保つため毎日潅水する。
B 10月中旬以降から収穫が始まる。一つのコンテナ(30×25×40cm)で8kg程度収穫できる。
C 収穫後はJAの加工施設に持ち込み、洗浄・乾燥の後、契約している個人、小売店、仲卸へ出荷する。
 もともとブラジルの特定の地域にしか自生していないキノコとあって、わが国では栽培技術は確立されておらず、そのつど状況をみながらの作業となっている。

●事業の開始時期、実施の理由・目的
旧JA伊是名村(いぜなそん)では、1年の試験期間を経て、平成11年('00年)7月からアガリクスタケの人口栽培に着手した。
 伊是名村は、県内でも有数のサトウキビの産地で、384haの栽培面積がある。サトウキビから糖蜜を搾る工程で出るバカス(サトウキビの搾りかす)をどう処理するかが産地の課題だった。そこでJAでは県内最大規模の堆肥センターを建設し、バカスの有機堆肥化をはかった。アガリクス生産部会では、この堆肥センターを利用して、それぞれの生産者が堆肥づくりをしている。
 JA伊是名村が、アガリクスタケの栽培に取り組んだ動機は、@他産地と競争力のある農産物をつくりだす、A農家の所得向上のため、生産者、JAで価格設定のできるものということに加えて、生産者が試験栽培をしていたことによる。

●事業の特色
アガリクスタケ―日本ではヒメマツタケと呼ばれているこのキノコは、さまざまな薬効があるようだが、とくに坑ガン作用の高い健康食品として、近年にわかに注目されている。
 アガリクスタケ栽培は、堆肥の善し悪しで収穫料の90%は決まる。堆肥のなかに繊維質をどのくらい含ませるかによって、その後のキノコの発生状況が左右されるからだ。堆肥はバカス、バカストラッシュ(サトウキビの葉)、黒糖蜜を濾した液、米糠、籾殻などの材料を混ぜ合わせてつくりあげる。
 JAおきなわ伊是名村支店のアガリクスの販売には、大きな特徴がある。それは個人や特定の小売店、仲卸を対象とした「直販態勢」をとっていることである。個人客の80%は口コミで、さらにその70%が県外の顧客である。JAのとっている直販態勢が、アガリクスの安定販売の基礎になっている。

●活動の成果、今後の事業展開計画
<アガリクスタケ栽培のメリット>
@施設費が比較的安く、重労働ではないので、高齢者や女性でも栽培できる。
A倉庫跡などを利用した室内で栽培するため、台風の影響を受けない。
B主産業であるサトウキビの収穫が忙しい1〜3月以外の期間が有効に活用できる。
<販売価格>
「アガリクスタケ」   90g   5000円
(現在、この種類では90gのものだけを販売)
「黒糖アガリクス」  1パック  250円
「粒剤アガリクス」  1瓶    3800円
(02年6月から これらの関連商品の販売を開始)

 
《問合せ先》
JAおきなわ 伊是名村支店 生産流通課
п@0980‐45‐2600

●地域の概況
伊是名村は、沖縄本島北部にある本部(もとぶ)半島の北約23kmのところにある伊是名島を主島に4島から成る。伊是名島は、島内のほぼ中央を標高120mほどの高台山地が南北に走り、穏やかな勾配を持って海岸線に至っている。そのため農耕地も多く、耕地率は総面積の25%に及んでいる。主な農産物はサトウキビだが、近年はハウス野菜の栽培や花卉園芸への転換が図られている。
 海に囲まれ、恵まれた環境にある漁港は、追い込み網漁や一本釣り漁・投網漁などのほか、モズクの養殖も行われている。


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