協同組合人物略伝 【国外
 
フォーセットFawcett, Henry
(1833〜84) イギリスの経済学者で,政治家であった。ケンブリッジ大学卒業2年後,誤って銃弾にあたってほとんど失明したが,学問を捨てないでケンブリッジ大学の経済学教授となった。その著書のなかで協同組合について,創設間もないイギリスの協同組合運動,とくにロッチデール公正先駆者組合,またシュルツェやライフアイゼンの組合を論じていることは歴史的文献として注目される。彼の経済思想はミル(Mill, J. S.1806〜73,英)の影響を受けており,目が不自由にもかかわらずグラッドストーン内閣の郵政大臣をつとめたこともある。彼の妻ミリセント・ガレット・フォーセット(1847〜1929)は内助の功ばかりか,彼女自身も経済学に関する著述をしており,婦人参政運動の開拓者のひとりとしても活躍した。フォーセット夫人の著書は明治維新後,間もなく漢訳書が輸入されており,原書あるいはこの漢訳書を底本として永田健助により1877年(明10)に『宝氏経済学』として訳出されている。これは日本におけるロッチデール公正先駆者組合店舗に関する最初の紹介であって,歴史的な意義をもつものといえよう。主著:Manual of Political Economy(経済原論)。(大熊良一)


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