協同組合人物略伝 【国外
 
ディグビーDigby, Margaret CBE
(1902〜85)イギリスのハンプシャーの生まれで,20歳くらいまでにフランス,ドイツ,ロシア,アイルランドの各言語を習得し,社会改良運動にも関心をもっていた。ロンドン大学を中途退学し,1923年に国際協同組合婦人ギルド(各国の協同組合婦人組織の連合体で,現在は存在しない)につとめたが,そこでデビス夫人(Davies M. 1862〜1944,英)やウェッブ夫妻(別項)らの知遇を得た。そのころ,アイルランド問題にかかわり,その縁で1927年にロンドンのホレース・プランケット財団の調査助手となり,1967年まで在職した。その間,同財団はプランケット協同組合研究財団と名称を改めたが,女史は1934年から事務局長をつとめた。職員が少なく財政的に困難であったが,女史の献身的な尽力により同財団は国際的な農業協同組合(農協)の研究所として名声と信頼を得ることができた。また,女史は世界各国をめぐって協同組合の調査研究や指導にあたった。それは1930年のプラハやベルリンで開かれた農業会議への出席に始まり,1933年には漁業協同組合の奨励のためフランドルへ,1939年には調査のためアメリカやカナダへ,さらに,第2次世界大戦後は北アフリカ,中東,アジアに講演と指導に行ったが,その間に国際労働機関(ILO)の訓練コースにも講師として出席している。国内的には1936年,農協参事協会(Agricultural Co‐operative Managers Association)の設立に助勢し,1955年にイギリス消費組合の体質改善のために設置された独立調査委員会には労働党党首ゲイッケルなどとともに委員となり,詳細な報告書を作成,提出している。女史が入所した1927年に初めて刊行された『農業協同組合年鑑』(Year Book of Agricultural Co‐operatives)は各国の農業の実情を知るうえで,関係者の間で高く評価されており,女史の在任中は女史の編纂により毎年発行されてきた。しかし近年,同研究所が財政困難のため,国際協同組合同盟(ICA)において発行することになった。1967年,同研究所退任後は引き続き相談役として1977年までつとめた。1978年,協同組合運動への貢献により,イギリス政府は女史にCBE(第3級大英帝国勲爵位)の称号を贈った。主著:A manual of Co‐operative Law and Practice(協同組合法実務便覧,B.J.
Surridgeと共著),The World Co‐operative Movement(世界協同組合運動),Agricultural Co‐operation in theUnited Kingdom(イギリス農業協同組合),The Organization of Fishermen’s Co‐operatives(漁業協同組合組織)。(高橋芳郎)


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