協同組合人物略伝 【国外
 
コロンバンColombain, Maurice
(〜1966)コロンバンの協同組合歴は,労働者階級の労働条件改善に努めていたフォーケ(別項)とストラスブールで共に仕事をしたことに始まる。国際労働機関(ILO)に,事務局長のトーマスの努力によって協同組合課が設置された際,フォーケとともにジュネーブ入りし,1920〜32年の間彼のもとで働いた。1933年,フォーケの後を継ぎ課長となった。ILOには15年間とどまった。第2次世界大戦中,コロンバンはILO本部をカナダのモントリオールに移し,戦後のILOの本格的な活動に備えた。ILOの協同組合部は国際協同組合同盟(ICA)とともに世界各国の協同組合運動を育成するため,関係会議を開催し,各国の情報を収集して配布したが,彼はその担当部署の責任者として精力的に行動した。コロンバンの協同組合運動論は,協同組合セクター論であるが,フォーケの影響が強い。1948年にはフランス外務省の協同組合顧問となり,フランス協同組合教育中央施設の委員会に参加した。情報,資料のほか,実地研修,視察によって問題の解決にあたるという彼の姿勢は,広く海外へ目を向けさせ,その足跡はヨーロッパからカナダ,アメリカ,インド,スリランカ,中東,アフリカに及んでいる。彼は,さまざまな協同組合運動の要職にもついた。フランス消費組合連合会の全国委員会の会長,パリ協同組合研究所の理事,さらにはフランス協同組合協議会の委員でもあった。コロンバンは,思索家であり,行動家であった。いくつもの要職兼務のかたわら協同組合諸論文を発表した。なかでも彼がILOのために著述した労働者教育講座シリーズ第1巻『協同組合』,『協同組合運動と今日の諸問題』,国連教育科学文化機関(ユネスコ)のために著作した『協同組合と基礎教育』は著名で,数か国語に翻訳されている。ICA会長であったブロットは,コロンバンの生涯と活動を「進歩をめざす人々には,常に活力として生きつづけるであろう」と評している。主著:The Cooperative Movement and Problems of Today(協同組合運動と今日の諸問題),Cooperatives and Fundmental Education(協同組合と基礎教育)。(古桑 実)


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