| (1889〜1959)イギリスのギルド社会主義の代表的理論家で,イギリス労働党の指導的な政治・経済理論家でもあった。1939年から1946年まで,フェビアン協会(イギリスの漸進社会主義者組織)の議長の職にあり,1952年には会長となった。オックスフォード大学で学び,1925年から1944年まで同大学で経済学の助教授をつとめ,1944年から1957年まで社会学,政治学の教授をつとめた。その学問的業績は多くの著述にもみられ,とくに社会学ではイギリスにおける多元主義の流派を代表するグループのひとりである。さらに労働運動や社会主義運動の歴史家としても幾多の労作を残している。協同組合運動との関係は,彼のフェビアン主義やギルド社会主義の思想を濾過したものといえよう。彼は,変化し進歩する社会・経済情勢や,科学・技術の革命的な産業利用などの実情に応じて,協同組合運動もまた体質を改善しなければならない,という。これはまさに組合運動の構造改革論である。彼の説によると,全協同組合運動は,単位小売組合,卸売組合,生産組合,組合中央会,協同組合政党,ギルドは単一の中央機関に直結し融合しなければならないし,単位組合は単一の全国的組合に融合しなければならない,とする。また,現在の協同組合運動にみられるような地方分散主義(ローカリズム)の欠点を克服するためには,その機構を強化しなければならないし,購買・販売事業においても,生産事業においてもその想像力と冒険心を政策のうちに盛り込まなければならない,と主張する。そして協同組合共和国を建設するためには,組合運動は現代の変転する経済的・社会的・政治的環境に適応するようにその構造を改革しなければならない,とする。また,協同組合運動が自己の目的を達成するためには,政治的には労働党の協力を求めることが必要である,と述べている。主著:A
Short History of the British Working Class Movement(イギリス労働階級運動小史),A
History of Socialist Thought(社会主義思想史),Life of Robert Owen(ロバート・オウエンの生涯),A
Century of Co‐operation(協同組合運動の一世紀)。(大熊良一) |