| (1796〜1865) フランスに生まれ,初め医学を志したが,政治に身を投じ,王政打倒の陰謀に加担して投獄され,かろうじて断頭台を免れた激情的な労働運動家であった。思想的にも初めはキリスト教を軽蔑したが,のちにはカトリックに帰依し,また一時的にはサン‐シモン主義の影響を受けるなど,その一生は多彩であった。1831年に労働者生産協同組合の計画を提案し,これに刺激されて組合が設立された。彼は生産協同組合の内部組織を宗教団体同様に強力なものと考え,個人的所有の放棄を組合員に期待し,協同組合事業は現代を超え将来にも奉仕すべきものと考えた。このため,組合の純収益の5分の1は,不可分,不譲渡の共同基金に繰り入れることとしたが,この理想は実現されずに終わった。失望した彼はついに直接社会事業に関係することをやめ,政治に専心して国民議会議長に選ばれたが,彼が,初期の協同組合運動の偉大な独創的人物であったことは見落とせない。主著:Essai
sur traite´ complet de philosophie au point de vue du catholicisme et du
progre`s(カソリック教および発展歴史的観点からの哲学入門),Traite´
politique(政治論)。(矢吹 寿) |