| (1811〜82) フランスの社会主義者,歴史家であるブランは,新理論の創始者とみるより,むしろ集成者と考えるべきであろう。彼は7月革命で産を失い,窮乏と飢餓に陥ったが,刻苦勉励し,新聞雑誌のすぐれた寄稿者,主幹として,しだいに文名が上がった。労働者の生活の悲惨な状態に着目し,1840年,現状の経済社会秩序とその変革についての意見をまとめて『労働組織』を出版した。彼は,労賃の万人均一を唱え,国家が主役となり,生産協同組合の助けを借り,同一産業の連帯的,協同組合的結合と全協同組合の中央集権的結合により,私的資本家的企業を徐々に解体して究極的に全産業,全人類の連帯経済秩序をもたらそうと考えた。そして1848年の2月革命には,社会民主党の一員として臨時政府に入閣して,その理想の実現にのりだしたが,間もなく失脚し,ベルギーからイギリスに亡命して22年間を過ごした。その後,ナポレオン3世が没落して,第3共和制が誕生すると帰国し,国民議会に選出されて,フランスの共和政治に尽くし,その間に『革命史論』その他歴史関係の著作を残した。主著:Organisation
de travail(労働組織),Histoire dedixans(10年の歴史),Histoire de la Re´volution
Fran〓aise(フランス革命史)。(矢吹 寿) |