協同組合人物略伝 【国外
 
ベラーズBellers, John
(1654〜1725) イギリスの富裕な地主の家に生まれたベラーズは,中年になってクェーカー教派に加盟してから活発な社会活動を始めた。彼は,1696年に刊行した『産業学寮設立提案』(Proposals for Raising a College of Industry)のなかで,協同によって労働の生産性が高められ,これを計画的に実施することによって労働者はその必要とするものを完全に自給できる,と説いた。オウエン(別項)は,その理想主義的な自給自足の協同体,いわゆる国内コロニーの建設(→索)をめざしたが,そのヒントはこのベラーズの論文を読んで得たものといわれる。マルクス(Marx, K. 1818〜83,独)もまたその『資本論』(第1巻第13章)でこのベラーズの説に注意をはらっており,ベルンシュタイン(別項)も彼を「貧者の弁護人」と賞揚している。ベラーズは,この改良主義的な理想を協同的な自給自足の小世界の建設によって実践に移そうとしたが,必要な資金が得られず,ついに失敗した。その後は戦争廃止を目的として,のちの国際連盟や国連機構にも通じる一種の国際的機構や国際仲裁裁判所の建設を宣伝したり,また囚人保護,盲人収容施設などの社会事業に没頭したりした。


戻る