本誌で紹介したハクサイの漬け物の写真である。
この漬け物を漬けたばあちゃんは、いや、日本じゅうに住むであろうばあちゃんの多くが漬け物の名手である。
うちの母親なんぞ、こういうことはまるっきりできないという元教員であるがゆえ一片の値打ちもないわけだ。
年寄りがえらいのは、暮らしに関する達人であり、うまいものとそうでないものの峻別が巧みであり、なおかつ、うまいものをこしらえるからにほかならない。
で、うまいものをこしらえることもできないような年寄りにはいっさいの未練もないのである。
と、そういうことを母親に述べたところ、
親孝行をいっさいしないような息子には一片の価値も未練もないのだ。
と、やり返されたわけで、それはそれで厳しい真実である。
読者諸兄におかれては、日々親孝行を実践されており、ときには嫁姑問題などという理不尽かつ解決不能の問題にも直面されているのだということに心からお見舞いを申しあげるしだいである。
ことほど左様に、写真における明るさのあんばいというのは物事の成否を決めるほど重要である。
上と下の写真はまったく同じものであるが、明るさだけを変えてある。明らかに印刷には適さないが上のハクサイのほうがうまそうに見える。
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