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| 第2回 |
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つまらない情報なんてないのだ!
〜情報の価値を決めるのは、情報を受け取る側〜 |
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HPを作るとき、よく聞く言葉に、「なにを出していいのかわからない」というのがある。
これは、情報の本質を理解していない証拠なんだ。情報というと、とくに農家の場合農業情報というと、お役所や研究機関の出してくるような四角四面のお堅い文書を連想することが多い。
残念ながら、ああいう文書をちゃんと読んでいる人がはたしてどのくらいいるのか大きな疑問である。おそらくああいう文書というのは、書いた本人さえ推敲した後2度と読まないのではなかろうかと思いたくなる。
で、そんなものだけが情報ではない。もちろんお役所やら研究機関やらが出してくるのも重要な農業情報ではある。しかし、われわれ農家が消費者に向かって出すべき情報はそういった堅苦しいものである必要などないのだ。
四角四面の情報の羅列では、まずもって見てもらえないだろう。見てもらえないようなHPには価値がない。
しからば、いかなる情報を出せばいいのかということなのだが、それは、農家の人間がしっかりと見えるような情報をどんどん出すべきなんだ。具体的に見てみよう。 |
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これは冨田のHPの中でいちばんアクセスの多いページである。本業のドライフラワーのページよりもアクセスが多くて、直接このページに入ってくる人が多いようだ。
個人的なことを、個人的な思いで書いているので、共感も多いけれども、ときには反論も来る。
じつは反論こそコミュニケーションの醍醐味というか、いちばん重要なところなのだ。反論は、クレームにつながる。クレームの処理がきちんと後腐れなくできて一人前なんだ。
この「実践的田舎の生活?」というコーナーは一見、商売には無関係にみえるけれども、じつはこのページのファンから多くのインターネットレッスン会員が誕生しているのだ。
客は一度HPを見てすぐに注文なんかしないのだ。何度も何度も見にきて、よく吟味して注文を出すのだ。この意味では、この個人的な言いたい放題のページは大いに役にたっているといえる。 |
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埼玉県岩槻市の住宅地のどまん中で施設園芸を営む関根氏のHP。
お嬢さんがアメリカの大学に行っちまって、非常にさびしい父親の心情を余すとこなく伝えて、涙を禁じえないページとなっている。
愚かにも、心配のあまりアメリカまで出かけていった両親とホームステイ先のご家族の様子。そこで生き生きと楽しそうに過ごすお嬢さんの暮らしぶりが写真とともに語られている。
「娘は娘ですから」などと強がっているものの、内心は心配で心配でたまらないのだろうなと、妙に親近感がわくページだ。
農業とはなんの関係もないけれども、関根氏の家族の様子とその絆がしっかりと見て取れる。 |
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群馬県嬬恋の森氏のHP。
嬬恋はご存じのとおり、昭和の開拓地である。開拓農民として入植した森氏の爺様。その爺様が拓いた土地で、今も森氏はキャベツや豆を作る。この時間の流れとか、開拓者の魂とか目に見えないけれども、しっかりと消費者に伝えていかなくてはいけないことがたくさんあるのが農業だ。
この優しい笑顔に秘められた、厳しい労働を思うとき、彼の拓いた土地からとれた作物を食べてみたいと思わない人は少ないはずだ。森氏は、「このじいさんの開拓魂があるから、残された土地があるからいまもこれからも頑張れる」と書いている。 |
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今年は3回も台風が本土に上陸した。福井県も大きな水害の被害を受けた。被災地にはかならず農家が住んでいて、そこで大きな農業被害が出た。しかし、その被害の様子を被災者の視点できちんと情報として出した例はきわめて少ない。その数少ないなかで、福井県池田町の長尾氏は、自分のHPで災害の様子をほぼリアルタイムで流し続けた。
農家仲間として、地元の消防団員として、自分の田畑を後ろ髪を引かれつつ放り出して、もっと被害の大きかった仲間の元へ駆けつけた。その一部始終がHPになっている。
いうまでもなく、災害情報がもっとも大きな農業情報である。けれどもそれを、しっかりと記録し伝えようとしている農家のHPは少ないのだ。
参考 |
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昨年比なんと4000%の売り上げを達成した岡山県真備町の井上氏のHP。
収穫を終え、爺様と婆様を連れて温泉への一泊旅行の様子をHPに掲載した。別になんてことのない、いわばどうでもいい情報である。と、ふつうならそれで終わるのだが、こういうどうでもいい情報があるから、前年比4000%もの売り上げを達成できたのである。
大手スーパーやら外食チェーンやらによくある、生産者の顔写真を貼りつけただけの、「顔の見えるナンチャラ」などとは決定的に違うのがここである。
私はアグリコのメンバーにしばしばこういって発破をかける。
「HPで物が売りたいのであれば、ケツの穴までさらせ!」
品がない言葉であるが、こういう品がない言葉を使わないと伝えきれないのが、「どうでもいい」情報の重要性でもある。 |
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鹿児島県頴娃(えい)町の山脇氏のHP。
鹿児島といえば、いも焼酎である。当然、焼酎にまつわるさまざまな遊びや出来事や失敗には事欠かない土地でもある。
「なんこ」という酒の席での遊びを紹介している。私の住む北海道で「なんこ」というと、馬の小腸を指す。で、貧しかった開拓時代や、戦中・戦後に安かった馬の小腸を鍋にした。かなり激しいにおいがあるけれど、なれるとめちゃくちゃにうまい。
と、そういう話だけではなくて(こういうふうに脱線するのもHPではOKなんだ)、地元ならではの大人の遊びなどもどんどん写真にとって紹介している。
山脇氏(元バスガイド)は、農業委員として活動しており、さまざまな会合にはデジカメを持って参加するそうだ。 |
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2004年世界遺産に登録された和歌山県の熊野古道のすぐ脇に住む梅干し農家、山口氏のHP。
直接農業とは関係ないように思われる熊野古道の王子(熊野の神様の化身とされる神社)をこつこつと写真取材している。
熊野古道には有名な観光地化されたところが注目されがちだ。しかし、本来はこういう静かで祈りの雰囲気に満ちた小さいけれども歴史は1000年以上2000年もあるような小さな神社を一つ一つ巡る巡礼地であった。
鎌倉以降であれば、この古道を巡礼する人々は確実にこの地で作られた梅干しの握り飯を食べたはずである。その梅干しを、21世紀の現在も同じ場所で作り続けているのだ。これを食の文明と呼ばずしてなにをそう呼ぶのだろう。 |
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滋賀県大津市の養蜂家瀬尾氏のHP。
子ども向けはちみつ作業の解説ページ。
はちみつを収穫する作業を工程ごとに細かく写真にして、的確な言葉で解説している。子ども向けではあるが大人にも十分役にたつページだ。
今、小学校では総合学習の時間などで、こういった農作業を学習する機会が増えたということだ。そのときのコンテンツになりうる優れたHPがどんどん増えると、なによりの消費者教育にもなるばかりか、将来の顧客開拓にもつながるのだ。
ニュージーランドや中国からの輸入はちみつに押されて国産はちみつは、一時危篤状態になったという。けれども、国産の安全性と品質が見直され、人気が高まってきているそうだ。
しかし、はちみつ農家から出てくる生産情報というのはきわめて形式的であり、そこに人間の顔が見えないことが多い。そのなかで、瀬尾氏のHPは秀逸である。 |
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