人は彼のことを“花守人”(はなまもりびと)と呼ぶ――。小林一章さん(59)は、30万株のカタクリが自生する自宅の裏山を数十年にわたり守り続けてきた。いまでは、開花に合わせ1日3000人もの人が集い、4000m2の自生地に咲きほこるカタクリの神秘な色合いに魅了される。
紆余曲折を経てきた小林家の農業経営。初代花守人ともいうべき父の時代から、養蚕、観光クリ園を経て、養豚経営を模索。一章さんは、養豚を継いだが、それもみずから終止符を打った。その後、アルバイトをしながら生計を立てるが、それでも時間の合間を縫っては裏山の管理を続けた。山の、カタクリのなにがそれほどまで小林さんを引きつけるのか。カタクリにかけるひとりの農家の人生にせまる。
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